たけのこ学園 木工班 ~きょうもがんばったよ~

障害者支援施設 「たけのこ学園」木工班のブログ。 日々楽しみながら、悩みながら、オリジナル作品を作っています。 発想力豊かな天才たち、いったいどんな傑作が生まれるのでしょうね? 木工班担当職員が、日常を綴らせていただきます。

カテゴリ: 作業


ルーティーンと言えば味気ないでしょうか?
利用者さんには毎日必ず同じ作業を行う方がいらっしゃいます。

Mさんの木工室での日課は
まず四角い木片を磨いて積む。
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綺麗に積み終わると次は紙ヤスリを選び
それで大きな木片を磨く。
お茶やおやつタイムを挟んでまた磨く。

同じ作業なので、ただ漫然と磨いていると思えば
Mさんは真剣な顔
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そうです。真剣に作業しているのです。
毎日真剣に同じ作業を続ける事は
もはやルーティーンではなく
毎日新しい気持ちで臨む真剣勝負。

それは美しく尊い!


思えば私はどれくらい続かなかったか・・・
Mさんを見習いたい。

同じ様な一日を新しい気持ちで迎える精神で
このブログを頻繁に更新することを宣言して
Mさんへの感謝の気持ちとします。


たけのこ学園では 9月16日の余暇支援活動として
「たけのこ作品展」が開催されることになりました。

コロナのためにイベントが中止になる中
想いが制限されてしまう利用者さんたち。
そんな状態でも せめて自分の想いだけは主張していただきたい。
目標に向かって支援員と一緒に作り上げ
出来上がった達成感と満足感を味わっていただきたい。

そのようなコンセプトがあるようですよ。


木工班のみなさまも
もちろん参加させていただきます。

Sさんの作品は
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これです。

私が作業の合間に切った猫をSさんにあげて
Sさんはそれを捨てて、私はまたそれを拾ってきて
今度はその猫をSさんは作品に張り付けて・・・。
それなら最初から捨てないでいただきたい想いは心にしまって
笑顔で作品の完成を待ちながら撮影した。
の画像。

なにやらややこしい話ですが
猫以外はSさんの手作りです。
今回Sさんは家を作りたかったようですね。

様々なサプライズがある利用者さんと
一緒に作るのは楽しいです。
早く皆さんの完成品が見たいと思っています。


コロナで楽しみが少なくなるなら
それ以上の楽しみを見つけ続ければ良いじゃないか。
それも支援員の力量。支援力という事ですかね?

ああ、もっと力を!


粗削りした製品を最終仕上げする。
その時は製品を持ったり、しっかりと手で押さえながら
反対の手に紙ヤスリを持って指の柔らかさに任せて擦る。
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こうすると木肌のしっとりとした感触が伝わって来るし
自分の想いが木に伝わっている感じになります。

道具を使わない このアナログな研磨の仕方は
利用者さんが行っている方法でもあります。

切削ではなく、木の表面を優しく剥がすようなこの方法を
木に施していくことで、削り出すというより
本来そこにある物を取り出すような感覚になります。

手仕事の極みを感じます。

利用者さんは道具を巧く使いこなせなくて手で磨いていますが
辿り着いた先が利用者さんのやり方と同じだなんて
私はやはり学ばせていただいたのかなとも思います。

利用者さんや木の温もりに感謝です。

私は糸鋸を右回りに切りますIMG_3005-t
左回りが得意な人も居るようです。

どちらでも切れるのが理想ですが
ずっと右回りで切っていたので その方が得意になりました。


今、猫の足跡の製品を考えています
でも世の中に多く有りすぎて・・・

遊び心満載な製品にしたいと思います。

ぐんまちゃんストラップの加工
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木が動かないように枠で固定されています。
手が不自由でも紙ヤスリが掛けやすいように職員が作ってくれた物

どんなに障害が有ろうとも木工班として製品作りに参加したい。
そんな想いを汲んでくれる職員が居ることを誇りに思います。
これも一つのノーマライゼーションですよね
みんなで一緒に作る大切さを、ずっと大事にしたいです。

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